【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「はは、美憂ちゃんってばわかりやすいなぁ」



「そ、そんなことないよ……」



「で、なにがあったの?」



「そっ、それは……」



あんな出来事、人に話せるワケない。
思い出すだけで顔から火が出そうだ。



「美憂ちゃん、さっきよりも赤くなってる。……もしかして、拓磨に襲われた?」



「お、おそ……?」



拓磨くんも言ってた“襲われる”ってどういう意味なんだろうか。



「……もしかして美憂ちゃん、襲われるの意味もわかってない?」



「う、うん……」



「襲われるっていうのは、つまり……」



「……?」



多田くんがにやにやしながら私の耳元に顔を近づけてきた。
私は多田くんに耳を傾ける。



「あーんなことや、こーんなことをされるってこと!」



「……っ!?」



あ、あーんなことや、こ、こーんなこと……!?!?