【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






そのまま電車に揺られ、ようやく学校の最寄り駅に到着した。



『ドアが開きます。ご注意ください―――』



「ふぁ……」



やっと満員電車から解放された……。
もう1年以上満員電車に乗ってるけど、いまだに慣れない。



改札を出ると、学校へと歩き出す。



「すごい満員電車だったね……」



「そうだね」



「もう息が止まりそうだったよ……」



「そうだね」



「拓磨くんとはぐれちゃうかと思っ……って!ご、ごめん!!!」



私はまだ拓磨くんと手を繋いだままだということに気づく。
慌てて手を離す。



「あ、えと、その……」



「フッ、もう気づいちゃったんだ。残念。改札出るときに1回離したのにまた手繋いでくるから、ビックリしたよ」



「え!?わ、私ってば無意識に……っ」



ひゃあ……もう穴があったら入りたいレベルなんですが……。