【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「と、というか、なんでここに……!?」



「外にいたら、アンタの弟がたまたま新聞取るために出てきて、そのときに中に入れてくれたの」



「ひ、日向のヤツぅ……」



日向とは私の1つ年下の弟。
同じ高校に通っていて、サッカー部に所属している。
そうだ、今日は日向が朝ごはんとお弁当つくる日だ……。
だから日向、早起きなんだ。



「はいはい、部屋の外で待ってるから着替えたら?」



「う、うん……」



拓磨くんは私の部屋を出ていった。
そして私は布団から出て制服に着替える。



バタン―――



着替えて部屋を出ると、拓磨くんが待っていた。
1階に下りると、朝ごはんのいい匂いがした。



「お、姉貴おはよー!」



「日向……」



日向は私を見るなり、笑顔で挨拶をした。



人の部屋に勝手に人をあげといて、よくそんな平然と……。