【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「はぁ、別に謝らなくていいから」



「う、うん……」



やっぱり拓磨くんは怖い。
睨むだけで人を殺せそうだもん。
怖さで少し涙ぐむ。



「ほら、そんな顔すんなって。俺が目つき悪いのは生まれつきだし」



はぁ……とため息をついて、拓磨くんは少し泣きそうになった私の頭を撫でた。



「ごめんなさい……」



「また謝った」



「ごめ……じゃなくて、う、うん……」



「ほら、さっさとクレープ食って帰るよ」



私はクレープをまた食べ始める。



「アンタって俺を振り回してばっかだな」



「え?」



私がいつ、拓磨くんを振り回した……?



「その顔だと、自覚ないんだな」



「うん……」



どちらかっていうと、拓磨くんの方が私を振り回してる気が……。