【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「あ、また赤くなった」



「だ、だって……その、は、恥ずかしいことってなに……?」



「さぁな?」



私の反応を楽しむように、イジワルにほほ笑む。
混乱していると、拓磨くんは私にグッと顔を近づけた。



「……大人のキス、とか?」



そして耳元で甘くそう囁いた。



「おっ、おっ、大人の……!?」



いくら無知な私でも、お、大人のキスぐらいはわかる。
拓磨くんの言葉を理解した瞬間、私の顔はまた熱くなる。



「ぷっ、やっぱりアンタ面白いな」



拓磨くんは堪え切れなくなったのか、噴き出す。



「……ふぇ!?」



「冗談だよ、冗談。アンタがあまりに純粋だからからかっただけ」



「な、なんだぁ~……」



もう、すごく焦ったのにぃ……。
純粋ってよく言われるけど、みんながその……色々知りすぎなんだよっ!
私、そういうの全くわかんないし……。