【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






平然としている拓磨くんとは違い、私は恥ずかしさで動けない。



「……美憂?」



拓磨くんが心配そうに私の顔を覗き込む。



「あ、うぅ……」



「なんでそんな顔真っ赤にしてんの?もしかして、間接キス、意識してる?」



拓磨くんはイジワルな笑みを浮かべた。



「っ!」



もしかして拓磨くん、わざと……?



「やっぱりそうなんだ」



「ち、違うよぉ……」



「フッ、間接キスぐらいで顔真っ赤にしてどうすんの」



そうだよ、私は恋愛経験なんてないですよーだっ。
彼氏なんて出来たこともないし、男の子と放課後にどこかに行ったりするのも初めてだもん。



「これから先、もっと恥ずかしいことするかもしれないのに、いちいちそんな反応してると、いつか死ぬよ?」



「!?!?」


は、恥ずかしいこと!?
な、なにそれ!?