「どれがいいワケ?」
クレープ屋さんのメニューを指さし、聞いてきた。
「本当にいいの……?」
「クレープ1つぐらい、別にいいよ。しかも半額だし」
拓磨くんが少しほほ笑むから、また私の胸はキュンとする。
「じゃ、じゃあ、これで……」
私はアイスとイチゴとバナナの入ったクレープを指さした。
「すみません、これください」
拓磨くんが店員さんに注文してくれる。
「はい、お待たせしました」
店員さんからクレープを受け取って、私に渡した。
「はい」
「あ、ありがとう!」
「別に」
笑顔を向けると、拓磨くんは目をフイッとそらした。


