「や、やっぱり筆箱忘れてないかも!あはは……」
「なんだよそれ」
「あ、今日駅前のクレープ屋さん、半額だ!寄って帰ろうかな~」
これならさすがについてこないはず……。
「俺もいく」
ウソでしょ……?
「そんな、私に付き合わせるなんて申し訳ないし……」
「彼女が行きたいところなら、どこでも連れてってあげるに決まってんじゃん」
「……っ」
そうだ、拓磨くんは悪い人じゃない。
みんなが思ってるほど怖くもないし、優しい人だ。
だから……正々堂々としていればいいんだ。
みんなの拓磨くんのイメージを変えればいいんだ。
……私もまだ少し、怖いって思ってるけど。
でも拓磨くんは本当は悪い人じゃないんだって、みんなに教えてあげたらいいんだ。
「ほら、さっさと行くよ」
「……うん!」
私もまだ、拓磨くんのことをそんなに知らない。
これからどんどん知っていこう。
なんでかな?
拓磨くんのこと、もっと知りたいって思ったんだ。


