―――放課後。



私は教室を見渡して、あの私に告白してくれた男の子を探す。



「あ……」



男の子は教室の一番後ろの隅っこの席にいた。



あそこの席だったんだ……。



私は男の子に駆け寄る。



「あの……っ」



「あ、桐野さん……」



「さっきはなにも言えなくてごめんね。私を好きになってくれて、本当にありがとう」



ニコッと微笑んで私は自分の席へ帰ろうとする。
が、男の子に制服の袖を掴まれた。



「僕は……桐野さんのそういう、優しいところが好きだよ」



「優しい、かな?」



自覚はないけど、そう言われるとなんか照れる。



「うん、桐野さんは優しいよ。よかったら……これから、友達としてよろしくね」



「うん、もちろんだよ!よろしくっ!」



私は男の子と手を握り合った。