それから数日。
私は拓磨くんと前と同じように、通学路を歩く。



あれから拓磨くんはお母さんと相談して、今、拓磨くんが一人暮らししている家をお母さんが育ての親御さんから譲ってもらい、大阪への転勤は上司に相談したところ、5年の契約のところを3ヶ月にしてもらえたみたい。

そして3ヶ月後にお母さんと拓磨くんは、一緒にその譲ってもらった家に住もうということになり、おかげで拓磨くんは引っ越す必要がなくなった。


拓磨くんのお母さんとお父さんは今いい感じらしく、再婚を考えているとも聞いた。



……よかった、本当に。



あの日、学校に戻ったら先生にこっぴどく怒られた。
でもいいんだ。
拓磨くんが戻ってきてくれたから。



「拓磨くんっ」



「なに?」



不思議そうに首を傾げる拓磨くん。



「……ううん、なんでもない」



隣に拓磨くんがいるという幸せを噛みしめながら、空を見上げた。



雲一つない青空。
こんなキレイな青空を見たのは、久しぶりかもしれない。



「拓磨くん」



「ん?」



「また、ラブレターちょうだいね」



「はぁ?絶対ヤダ」



「なんでー!?」



あのラブレターすごく嬉しかったのにな。
拓磨くんの正直な気持ち……愛が伝わってきてすごく嬉しかった。