「拓磨ぁ~~元気でな~~」
「あぁ、わかってる」
「俺の一番の親友は、拓磨だからな!」
「あぁ」
「拓磨大好きだぞー!!!葵ちゃんの次にな!」
「……はいはい」
相変わらずな祐輝に苦笑いしながら、軽くギュッと抱きしめた。
「じゃ、俺そろそろ行くわ」
気がつけば、あと10分で新幹線出発の時間だった。
「あぁ、じゃあな」
「おう、またな」
固い握手を交わすと、祐輝と別れて新幹線乗り場の方へと向かう。
エスカレーターを上って、改札を通ろうとしたときだった。
「―――拓磨くんっ!!!」
聞き覚えのあるクリアで透き通った声が、駅構内に響いた。


