【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







「じゃ、また明日」



『じゃあな』



電話を切ると、俺はトボトボと家に帰った。



そして、次の日。



8時半を過ぎた頃、育ての両親に車で送ってもらい、駅についた。



「拓磨……元気でね」



「なにかあったらすぐに連絡するんだぞ」



「あぁ、わかってる。また向こうに着いたら連絡する」



母親は少し涙目で、今にも泣きそうだった。
父親はそんな母親の肩を抱き寄せる。



「たまにはこっちにも戻ってきてね」



「もちろん。長期休みになったらまた戻るつもり」



「向こうのお母さんにも、よろしくな」



「あぁ」



母親と父親と、一回ずつ抱き合うと、俺は荷物を持って駅の改札に入った。