【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「拓磨くんから全然連絡こないから、心配したよ~!でも、体調はもう悪くないみたいでよか……」



「お前、ほんとウザい」



ごめんな、美憂。
何回謝っても謝りきれない。



「拓磨くん、急にどうした……」



「お前のそういうとこ、ウザいって言ってんの。わかる?」



ウソ。
美憂のそういう、いつも俺なんかのことを気にかけてくれて、明るい太陽みたいな笑顔が大好きなんだ。


ウザいなんて、そんなはずがない。



でも……言わなくちゃいけない。



「もう、お前とは終わりだから」



この言葉を言うのに、どれだけの勇気と力を使っただろう。
声が震えないように……ちゃんと、言えただろうか。



「じゃあな」



一刻も早くこの場から去りたいという気持ちに襲われ、適当な理由をつけた。
俺はそう言うと、逃げるようにその場を去った。



傷ついた美憂の表情が頭から離れない。



あぁ、本当はこんなこと言いたくなかった。
でも、仕方ないんだ。