美憂に嫌われることへの恐怖と、美憂を傷つけることへの罪悪感。
それが、俺の気持ちをジャマしていた。
引っ越しの2日前。
俺は荷物を取りに実家へ帰った。
小学生の頃に使っていた勉強机の引き出しから、シンプルな便箋が出てきた。
そして、思いついた。
最後に美憂に手紙を書こうって。
美憂にはやっぱり嫌われたくない。
そんな臆病者だから……ここには本当の気持ちを書いておこうって思った。
手紙を書き終え、俺はズルい人間だなと思った。
こんなの美憂が見たらきっと、悲しむに決まってるよな。
ごめんな、美憂。
美憂には嫌われたくない、そんなズルい俺を許してくれ。


