一週間前、俺は美憂に教室で手を振った後、母親と待ち合わせている喫茶店へ向かった。



「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」



「いや、ちょっと人と待ち合わせしてて……」



キョロキョロと喫茶店の中を見回す。
すると、その中に写真に写っていた母親とそっくりな人を見つけた。



あの人が……俺の本当の母さん……?



俺はその女の人に向かって歩くと、こちらに気づいたのか、大きく目を見開いて立ち上がった。



「拓磨……?」



「あぁ、拓磨だよ。母さん……だよね?」



「そうよ、久しぶり……拓磨。会いたかった……っ!」



母さんは涙を一粒こぼすと、俺をギュッと抱きしめた。
その温かい腕と懐かしい匂いに、俺も思わず涙が出そうになる。



「俺も……会いたかった」



この温もりをずっと探し続けて数十年。
ようやく、大好きだった母親に再会できたんだ……。