「あ、葵ちゃん!!!」
多田くんは葵ちゃんを見るなり、目を輝かせた。
そして葵ちゃんの手を取ってブンブン振る。
「葵ちゃん、同じクラスなのに話すの初めてだよね!1回お話してみたいって思ってたんだ!」
「は、はぁ……」
多田くんのテンションに困惑している葵ちゃん。
多田くん、テンション高いな……。
どうしたんだろう?
「ねぇ葵ちゃん、連絡先教えてー!」
「ごめん、私そういうのニガテなの」
「え!?」
「というか、男子がニガテなんだよね。だから……ごめんなさい」
葵ちゃんは軽く頭を下げた。
そうだ、葵ちゃんは男ギライなんだ。
過保護なお兄ちゃんが3人もいて、そのせいで男子がキライになったって言ってたな……。