そっと指で私の涙を拭ってくれる拓磨。



「だって……嬉しいんだもんっ」



「美憂は人のために泣いたり、笑ったり、悩んだり大変だな」



あはは、と笑う拓磨くん。



だって、どんな感情も拓磨くんと共有したいんだもん。
悩みも幸せも2人で半分こ、したいんだもん。



学校に着いて、私は葵ちゃんに拓磨くんのことを話した。



「へぇ、よかったじゃん」



「ほんとよかった~~」



「十数年ぶりに母親と再会って……どんな感じなんだろうね」



確かに。
一緒に住み慣れてないから、最初は少し人見知りしちゃいそう。
って、それは私だけかな?



「あ・お・い・ちゃーん!!!」



「……来た」



葵ちゃんは教室に響き渡る声を聞いて、険しい表情をした。
そして顔をそむける。