急に心臓がバクバクしてきて、止まらない。



「拓磨に少し話したいことがあって、拓磨の入っていた施設から里親を聞いて、そこから辿ってやってきたんだ」



「話したいこと……?」



「うん、キミのお母さんのことでね」



俺は家の鍵を開けて、おじさんを中に入れた。
そして、机を挟んで向かい合ってイスに座った。



「……拓磨は、お母さんのことを恨んでいるかい?」



おじさん……父親が最初に口にしたのはそんな言葉だった。



「そりゃ……」



俺を捨てたんだから。
そんなの、恨むに決まってる。
信じていた母親に裏切られて、恨まないワケがない。



父親は「そっか……」と俯いた。



「実は……それはカン違いなんだよ」



「え?」



カン違い?なにが?