「俺の初めての彼女、美憂だし」
「え……っ?ほんと?」
「あぁ、人を好きになったのも……美憂が初めてだよ」
今まで、人を信じようとしなかった俺。
高校生になって、美憂と出会って人を信用できるようになった。
だから、俺にとって美憂は初めて好きになった女なんだ。
「えへへ、嬉しい」
美憂は大切でかけがえのない、大切な彼女。
世界でたった一人の俺の彼女。
「じゃ、また連絡する」
「うん、またね」
美憂の家の前で別れを告げる。
いつもこの瞬間がとても寂しい。
美憂ともう少し一緒にいたいなんて思ってしまうんだ。
「拓磨くんっ!」
背中を向けて、帰ろうとすると、美憂が俺を引き留めた。
振り返ると、美憂は後ろから俺にギュッと抱き着いた。
「拓磨くんをチャージさせて」
……ったく、可愛すぎなんだよ。
どれだけ俺の調子狂わせたら気が済むワケ?


