本当は唇にもしたいけど……でも、美憂がぶっ倒れそうだから美憂がいいって言うまではしないつもりだ。
ていうか、キスなんてなくても十分幸せだし。
「顔真っ赤」
「た、拓磨くんはそういうの慣れてるかもしれないけど、さ。私はそういうの全く経験なくて……」
美憂、俺のことそんな風に思ってたんだ。
少し、からかってやろうかな。
「まぁ、元カノとは結構キスしてたしな。結構慣れてるかも」
「やっぱり彼女、いたんだ……」
俺の言葉に美憂は急にシュンとして、俯く。
そして、急に俺の腰に手を回して、ギュっと抱きしめてきた。
「拓磨くん、ちゅーしよ」
美憂の言葉に俺は驚く。
「なに言って……」
「ちゅーに慣れてない彼女なんて、イヤだよね」
……あぁ、なんだコイツ。
なんでこんなに可愛いかなぁ……ムカつく。
こんな涙目で言われたら、からかってる自分に罪悪感を感じるじゃん。
「ウソだよ、バカ」
「へ……」
こんな可愛い彼女、他にいるか?


