「な、なんでそれ……!」



「廊下に落ちてたけど」



も、もしかして、拓磨くんを追いかけてる途中に……落とした?
ああああ……もう最悪……。
私ってば本当になにしてんだか……。



「美憂の想い、ちゃんと伝わったし別にいいじゃん?」



「拓磨くん……」



「美憂」



真剣な表情で拓磨くんが私を見る。



「美憂の気持ち、美憂の口から聞かせて?」



「えぇ、恥ずかしいよぉ……」



手紙なら素直に書けても、口にするとなると……うーん……。



「美憂が自分の気持ち言ってくれないなら、俺も言わないよ?」



「なにそれ、イジワル……」



「ほら、はやく言って?」



拓磨くんはやっぱりイジワルだ。
私の気持ちを知っておいて言わせるなんて。