「わ、私は真剣に……っ!」
「ありがとう、美憂」
拓磨くんはそう言って私の大好きなあの笑顔を見せた。
あ、そうだ。
「私、拓磨くんに渡したいものがあるんだった」
私はブレザーのポケットの中に手をつっこむ。
……あれ、私、ポケットに入れなかったっけ?
次はカバンの中をガサガサとあさる。
……が、全く見当たらない。
「あれ、どこにいっちゃったんだろう……」
「アンタが探してんの、コレ?」
「……あっ!」
ニヤッと笑う拓磨くんの手には確かに私が書いた手紙があった。
懐かしいセリフに懐かしい光景。
私はこうやって拓磨くんと出会ったんだ……。
……って、そうじゃなくて。


