今の拓磨くんはきっと中学時代の拓磨くんだ。
拓磨くんはこうやってたくさんの人と殴り合いをしてきたんだ。
「く……っ、お前のせいで俺の仲間は……っ」
「は?俺のせいなワケ?リーダーのアンタが弱すぎてみんなが離れていっただけの話じゃないの?」
「う、うるせぇ!!!」
星司くんは立ち上がって、拓磨くんに向かって拳を振り上げる。
が、拓磨くんはするりとかわす。
「相変わらずだな。もうアンタのそのクソみてぇなパンチ、飽きた」
「クソ、人のことバカにしやがって!!!」
再び、星司くんが拓磨くんに襲いかかり、殴り合う。
拓磨くんが星司くんのみぞおちにパンチをお見舞いし、星司くんがうずくまる。
「う、うぅ……」
「美憂、大丈夫か?」
「う、うん……」
その間に拓磨くんが私を縛っているロープを解く。
あぁ、やっぱり拓磨くんだ。
優しい目をした……私の好きな拓磨くんだ。


