荒々しく倉庫の扉が開かれた。
「拓磨くん……!!!」
扉の向こうには息を切らしている拓磨くんが立っていた。
「おい、美憂から離れろ」
怒りに満ちた瞳でゆっくり私と星司くんの方へ歩いてくる。
「美憂から離れろっつってんだろ!!!」
「……っ」
今まで聞いたこともないほどの拓磨くんの力強い声。
思わず体がビクッとした。
「うおおお!!!」
すると、星司くんの仲間の2人が一気に拓磨くんに襲いかかる。
「ジャマすんじゃねぇよ」
そう言って、拓磨くんは拳を振り上げ、星司くんの仲間を殴る。
初めて目にする殴り合いに私は目を塞ぎたくなった。
倉庫には聞いたこともないような声や音が響く。
「ふっ、数年でどのぐらい成長できたかと思えば、全く成長してねぇな。マジで弱すぎ。よくこんなんで今までグループ組んでられたな」
拓磨くんはバカにしたように笑う。