じゃないと、俺の隣にわざわざ座ろうとなんてしてこないよな?



「はい、葵ちゃん、フキン持ってきたよ」



「……はぁ、もう美憂ってば」



そのとき、俺は“美憂”という名前に反応した。
この女が……この間男子生徒2人組が言ってたアイツか?
そんなに大して気にはかけてなかったけど、記憶の片隅に残っていた。



「じゃあいただきまーす!」



俺の隣に座ると、その女……美憂ってヤツはカレーを食べ始めた。



のんきだなコイツ……。
俺の隣に座るなんて……。



俺はそんなのんきなヤツの顔を横目で見た。



「……っ」



なに、コイツ。



「んんー!久々の食堂のカレーは最高だなぁ」



本当にアイツらが言ってた通り、可愛い。
美味しそうにカレーを食べている姿に、思わず釘付けになった。