そりゃそうだよ。
みんな拓磨くんの名前は知ってるけど、見たことある人なんてほとんどいないもん。
私はビックリしすぎて言葉が出ない。
なんで……なんで……いるの?
今まで一度も教室に来たことなかったのに……。
「あぁ、そうだけど」
「どうして急に……」
「俺が授業受けにきたらダメなワケ?」
拓磨くんは先生をギロッと睨む。
こ、怖い。
教室はシーンとしてるし、先生も若干ビビってるし……!
「い、いや……そういうことではないが」
そして拓磨くんは教室の中を歩き出す。
どこいくの?
……って、私の方に向かって歩いてきてない!?
ウソでしょ?
そんなワケないよね?
顔を上げると、拓磨くんは私の隣の席の藤永(ふじなが)くんの目の前にいた。
「ねぇ、席変わってくんない?」
「え……?」
え!?せ、席変わってくんない!?
なに言ってるの!?


