キーンコーン―――
「はい、じゃあ解散。また明日!」
HRが終わり、担任の声でみんな教室を出ていく。
「拓磨くん、はやくはやくー!」
「美憂はしゃぎすぎ」
手招きする私を見て、優しく笑う拓磨くん。
「もう、はやく行こうよ!」
「ちょ、美憂!」
私は拓磨くんの腕を引いて、カフェに向かった。
拓磨くん、最近元気ないんだもん。
アップルパイで少しでも元気になってくれたら……。
なんて、考えが単純すぎるかもしれないけど。
私にできることなんてそれぐらいしか思いつかなかった。
「ここだよ!」
歩くこと15分、目的地のカフェに着いた。
最近出来たばっかりだから、とても綺麗で雰囲気のいいお店だ。
「入ろ!」
強引に拓磨くんの腕を引いて中に入る。


