「ほんと、1人ぐらいはやく家出ていけっての。3人も過保護なお兄ちゃんがいたら、めんどくさくて仕方ない」
「でも、優しいお兄さんたちじゃん」
一度、家にお邪魔したことがあるけど、ケーキを買ってきてくれたり、ジュースを出してくれたり、すごく優しいお兄さんばかりだった。
「どこか!?あんなんだから彼女もロクにできないのよ……」
「あはは……」
そういえば前に、1番上のお兄さんの付き合ってた彼女と葵ちゃんの誕生日が一緒で、お兄さんが葵ちゃんの誕生日を優先して、フラれたって言ってたな……。
キーンコーン―――
「じゃ、またあとでね」
「うん!」
自分の席に戻ると、6時間目の教科の教科書類を机の上に出す。
すると、拓磨くんが戻ってきた。
「美憂、オデコ大丈夫?」
「あ、うん!保冷剤当ててたらマシになってきたよ!」
「そっか」
フッと笑った拓磨くんにドキッとする。


