【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「えへへ、ありがとう」



「俺は思ったことを言っただけだよ。じゃ、そろそろ行くね」



「うん、またね」



星司くんの笑顔に癒されて、ウキウキで教室に戻った。



「もう、美憂ってばなにしてたの?」



着替え終わった葵ちゃんがため息をついて私を見る。



「ごめんごめん」



「……もしかして、あれから矢野拓磨とイケナイことでもしてたんじゃ……っ」



「し、してないよ!」



でも……。



拓磨くんに押し倒されたことを思い出して、顔がボッと熱くなる。



「み、ゆう?大丈夫?まさか襲われたんじゃ……っ!」



「な、ないない!絶対ない!」



ない、けど……。
脳裏に拓磨くんの悲しそうな表情が浮かぶ。