【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「じょ、冗談はや、ややや、やめてよ!ね!?」



拓磨くんが私を襲いたいなんてそんなの、冗談に決まってる。



……でも、拓磨くんの目は本気で。



「……俺が冗談言ってるように見える?」



低くて透き通った声が、私の耳に注がれる。



冬の寒さなんて感じられないほど、私の全身は熱い。



「あ、あわ、拓磨くんっ、その……」



「アンタ、なんでそんな無防備なワケ?」



「えっ、と」



「あんまり煽んないでくれる?」



拓磨くんの表情は苦しそうで……私はどんな反応をしていいのかわからなかった。



「あの……」



「……ごめん、俺なにしてんだろうね」



あはは、と笑いながら私から離れる。