【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






「それは……その……」



どうにかごまかさなきゃ……!
あ、そうだ。



「た、拓磨くん、そういえばジャージ2枚持ってきてたんじゃ……なかったの?」



「あぁ、2枚持ってきたって思ったけど1枚しかなかっただけ」



「じゃ、じゃあやっぱりジャージ返すよ!汗はかいてないから安心して……!」



と、慌ててジャージを脱ごうとしたら阻止された。



「いいよ別に」



「で、でも、拓磨くんが風邪ひいちゃ困るし……」



「じゃあ、こうすればいいじゃん」



拓磨くんはジャージを取って、私に密着するように座ると、背中にジャージをかけた。



え、ちょ、み、密着してる……っ!
やばいよ、心臓が……!



「これで2人ともあったかいでしょ」



「う、うん」



私は平然を装うのに必死だった。



拓磨くん、なんでそんなに平然としてられるの?
私が意識しすぎなのかな……。