「たっ、拓磨くん……っ!」
名前言ったの、聞かれちゃった……。
っていうかなんでここに!?
「どうして……」
「アンタが親友とどこか行くのを見たから、さっきその親友に事情を聞いて来た」
「葵ちゃんに……?」
「なに、テニスボールがオデコに直撃したんだって?」
心配そうに拓磨くんが私の前髪をあげて、オデコを見る。
拓磨くんの手がオデコに触れて、私の胸はまた熱くなる。
「えへへ……」
「ほんとドジだよね」
「自覚してます……」
自覚しててもなかなかこのドジさは治らない。
どうすればいいのやら……。
「で、なんでさっき俺の名前言ってたの?」
ギクっ……。
痛いところつかれた……。


