「美憂、ごめんね」
「ううん!私がボーっとしてたから……」
はぁ……ほんとにドジだなぁ、私。
どうしてすぐにボーっとしちゃうかな……。
「私、戻るけど美憂はもうちょっと休む?」
「あぁ、じゃあもうちょっと休んでから戻るね」
「わかった」
葵ちゃんは手を振って、保健室を出ていった。
「はぁ~~……」
長椅子に座って、ため息をつく。
あー、もう拓磨くんのせいだ。
拓磨くんが優しすぎるから色々考えちゃって……。
拓磨くんのことを考えるとなんだか胸が尋常じゃないぐらいドキドキする。
なんでこんな気持ちになるんだろう……。
「拓磨くん……」
「呼んだ?」
ポツリとつぶやいたとき、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
顔を上げると、ドアのところに拓磨くんが立っていた。


