【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







「また、拓磨くんにお礼言っておかなくちゃ。さ、続きやろ!」



私は笑顔でそう言って、ごまかす。



どうしよう、胸がドキドキして熱くて……全然集中できないよ……。



拓磨くん……なんで私に優しくするの?
好きでもない私に……。
いくらなんでも優しすぎるよ。


私、何度も何度も助けてもらってる……。



もしかして私……拓磨くんのこと……?



いやいや、そんなはずは……!



「ぶっ!」



「美憂!!」



ボーっとしていたら、葵ちゃんの打ったボールが顔面に直撃した。
また葵ちゃんが慌てて私に駆け寄ってくる。



「美憂大丈夫!?」



「だっ、大丈夫……」



オデコだったからまだセーフだった。
けど、やっぱり痛い。