「星司くん、ちが……っ」
「じゃ、俺はこれで。またね、美憂ちゃん」
私が誤解を解く前に、星司くんはニコッと笑って去っていった。
私のせいで拓磨くんは、どれだけ悪者にされてしまうんだろう。
悪いのは全部私なのに……。
「美憂、屋上に戻るよ」
「……拓磨くん」
ブレザーのポケットに手を入れて、屋上へ帰ろうとした拓磨くんの袖を掴む。
言わなきゃ……ウソをついてるって……。
「あのね、私……っ」
「美憂」
真実を言おうと口を開いたとき、拓磨くんは私の頭をポンと撫でた。
そのときの拓磨くんの表情は、すごく切なくて悲しそうだった。
「拓磨……くん?」
どうして、そんな表情をするの?
今、拓磨くんはなにを考えてるの?
わかんないよ……。


