「ナンパなんてされてないよ!?ただ、星司くんが助けてくれて……」
「へぇ」
「だから……その、星司くんはいい人っていうか……」
「……人の彼女にキスを迫るようなヤツが、いい人なんだ?」
ひいぃ……!た、拓磨くん、そこも見てたんだ……!
笑顔なんだけど、目が全く笑ってない……。
「美憂ちゃんを責めるのはやめてあげて?俺は冗談を言って美憂ちゃんを困らせてただけなんだ」
星司くんが横から拓磨くんをなだめる。
「冗談……?」
「そう。美憂ちゃんがアワアワしてるときの表情ってなんだか可愛いからさ」
「へ!?」
かっ、可愛い!?
星司くんが今、私のこと可愛いって……!
「アンタ、殺されたいの?」
拓磨くんはイラついた表情で、星司くんの胸倉をつかんだ。
「た、拓磨くんやめて……!」
こんな状況だというのに、星司くんはビビりもせず、ニコニコしている。


