「もしよかったらさ」
星司くんは持っていたビニール袋をゴソゴソとあさる。
「ん?」
「これ、あげるよ」
「……え!?」
星司くんが私に差し出したのは、缶のオレンジジュースだった。
「これって星司くんのじゃ……」
「遠慮はしなくていいから、ね?美憂ちゃんが困ってるの見たら助けたくなっちゃったからさ。受け取って?」
星司くん……やっぱりアナタは本物の王子様です。
アナタ以上の紳士を見たことがありません……!
本当におとぎ話から飛び出してきた王子様みたい……。
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて……!あ、お金お金……」
財布からお金を出そうとしたら、星司くんはそれを止めた。
「いいよ、俺が好きであげたんだし」
「で、でも……」
「遠慮はいらないよ、ね?」
はぁ、もう私はその爽やかで優しい笑顔だけで十分です……。
星司くん、好きです。
好きじゃ足りないほど、大好きです。


