売り切れってそんなぁ……。
他の飲み物は全部あるのに、なんでよりにもよってオレンジジュースだけ売り切れなの……。
ツイてないなぁ……はぁ。



購買に行ったら売ってるかな……オレンジジュース。
でもなぁ、購買遠いしなぁ……。
うーん、でもやっぱりオレンジジュース飲みたい……。



「あ、美憂ちゃん」



葛藤していると、聞き覚えのあるクリアな声が耳に入ってきた。
素早く振り返る。



「っせ、星司くん」



驚きで声が裏返ってしまった。



は、恥ずかしい……!



「あはは、そんな焦らなくても」



「あ、あはは……」



今日も笑顔がステキです、星司くん。
私はその笑顔をこんなに間近で見られただけで、天に昇っていけそうです。



「で、今日はなんでガックリしてるの?」



「い、いやぁ、それが……オレンジジュース買おうって思ったらオレンジジュースが売り切れで……どうしても飲みたい気分だから購買に買いにいくか迷ってて……ほんとツイてないよね、自分のほしい飲み物だけが売り切れなんて」



あはは、と笑い飛ばしながら話すと、星司くんがなにか思いついた表情をした。