【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







思わずにやけそうになるのを我慢する。



拓磨くんはどう思ってるのかな……?
別になんとも思わない、か。
私のこと好きでもなんでもないもんね。



「ね、1時間目なに?」



「へ!?あ、あぁ、えっと……古典だよ」



拓磨くんのことを考えてたら、隣から拓磨くんに声をかけられて驚く。



「そんな驚かなくても」



「いや、ちょうど拓磨くんのこと考えてた、から……」



あっ、私ってばなに言って……!



「俺のこと?なに?」



「えっとね、秘密!」



そう言って笑ってごまかす。



「ふぅーん……」



拓磨くんは少し不満そうに言った。



「そういえば、今日から俺、自分で教科書持ってくることにしたから」



「え!?」



自慢げに今日の教科の教科書類を私に見せる。