【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







キーンコーン―――



「HRはじめるぞー」



チャイムと同時に担任が教室に入ってきた。
それとともに私は席に着く。



「出席をとるぞー……って、お前誰だ?」



担任が拓磨くんを見て怪しげに言った。



「矢野、ですけど」



「……矢野!!?お前どうした……」



「そんなことよりはやくHRしてもらっていいですか」



「あ、あぁ……」



拓磨くん、色んな人に驚かれてるな……。
まぁ雰囲気が全く違うもんね。
見るからに誠実そうな好青年、って感じだし。



「矢野拓磨やばくない?」



「ちょーカッコいいんだけど!」



「美憂ちゃんいいなー。雰囲気変わって、お似合いになったよね」



昨日の女の子たちがそんな会話をしているのが聞こえた。



“お似合い”か。



なんでだろう、その言葉がすごく嬉しく思えちゃうんだ。