思わず立ち止まった私の背中を拓磨くんが押した。
「気にすんな」
「うん……」
「みんな、おっはよー!!!」
すると、静かな教室に勢いよく多田くんが入ってきた。
そのおかげで教室の静かさもなくなる。
「お、拓磨!黒髪似合ってんじゃん!!!」
多田くんは拓磨くんを見るなり、肩を組んで言った。
「カッコいいよ拓磨!!!な、美憂ちゃん?」
「え、あ、うんっ」
「よかったな~拓磨」
「うるせぇ祐輝」
「照れちゃって~可愛いヤツ!」
「……うぜぇ」
ふふ、拓磨くん、満更でもなさそう。
私は2人を微笑ましく思った。


