「ギリギリセーフ……」
なんとか本鈴５分前に校門をくぐることのできた私は、ガッツポーズをした。
「ほんと、美憂って準備遅いよね」
「ごめんなさい……」
「別にいいけど。間に合ったんだし」
校舎に入って教室に向かっていると、色んな人が拓磨くんをジロジロ見る。
やっぱり拓磨くん、目立つよね……。
こんなカッコいい拓磨くんの横を歩いてる私って……。
「拓磨くん、目立ってるね」
「なんでそんなにジロジロ見てくるんだろうね。本当は文句言ってやりたいけど、もうそういうのはやめることにしたから」
「え……？」
拓磨くん、本当にどうしちゃったんだろう。
前までは普通に睨んで暴言とか吐いてたのに……。
色々頭の中で考えながら教室に入ると、一斉に全員がこちらを見てきた。
うっ……視線がすごい……。
