拓磨くんの優しさを知るたびに胸が苦しくなるんだ。
こんなに優しい拓磨くんにウソをついている自分がイヤになって罪悪感でいっぱいになるんだ。
「はい、片付け終わり。次は美憂の指の処置をしないと。消毒液と絆創膏貸して」
拓磨くんは片付けを終えるとそう言った。
私はそれに従って救急箱を持ってくる。
「指見せて」
ケガをした指を出すと、優しくその手を持って消毒をして絆創膏を貼ってくれた。
「あ、ありがとう!なにからなにまでしてもらっちゃって……」
「別に」
お礼を言うと拓磨くんは照れくさそうに私から目をそらした。
その姿がなんだか可愛くて胸がキュンとした。
「……っあ!!!はやく学校行く用意しないと遅刻だ!!!」
時計を見た私は叫んだ。
「……ったく」
そんな私を見てため息をつく拓磨くん。
私は慌てて2階へ上がった。


