【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







自分のドジさに呆れるよ……ほんとに。



「どうした!?」




すると、慌てた様子の拓磨くんがキッチンに入ってきた。



「コップを割っちゃって……えへへ」



「笑い事じゃねぇだろ!手、貸してみ」



真剣な表情の拓磨くんにドキッとする。



「う、うん」



ケガをした手を差し出すと、拓磨くんはその指を口に入れた。



う、ウソ……。



指先から拓磨くんの温度が伝わってくる。



「った、拓磨く……っ」



「応急処置。あとは俺が片付けとくから」



「ありがとうっ」



拓磨くんは素早く破片を片付ける。



「ご、ごめんね……」



「なんで謝るんだよ。謝るのは俺の方だし。俺が割ってすぐに行ってたら美憂がケガしなくて済んだのに」



拓磨くん……。
どうしてそんなに私に優しいの……?