【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







今日もいつも通りシンプルな和食だ。




「いただきまーす!」



日向が手を合わせたのと同時に、拓磨くんも手を合わせた。



拓磨くんは静かに味噌汁を一口飲む。



「……味噌汁、どう?」



私が聞くと、拓磨くんは少し頬を緩めた。



「うん、美味い」



「でしょ!我が姉貴ながら、味噌汁作るの上手いんですよ!」



日向が自慢げに言う。



よかった、拓磨くんが美味しいって言ってくれて。
少し……いや、かなりホッとした。



「拓磨くん、姉貴と結婚したら毎日この味噌汁を飲めますよ」



「ちょ、日向……っ」



日向ってばなにを言って……!



「言われなくてもそのつもりだけど」



「……えっ!?」



た、拓磨くん……今なんて……?