【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?







「アンタのほっぺた、赤くてリンゴみたい」



「へ!?」



拓磨くんは私の頬に手を伸ばした。



「熱いな」



「そ、そうかなぁ」



不意に目線を上げると、拓磨くんと視線が絡まる。
私をしっかり映しているその瞳から目が離せなくなる。



「……アンタがよく見える」



「……え?」



よく見えるって……。



「俺、コンタクトにしたんだ。今まで目悪いくせに裸眼だったから、余計目つきが悪かったんだよなぁ」



「今日、美容院と眼科行ってたってこと?」



「……まぁ」



「どうして急に……」



「理由はない」



拓磨くんは私から目を逸らす。