私のために変わったって……もしかして。
今朝の女の子たちの会話を聞いて……?
私が拓磨くんと一緒にいて目立つのを気にしてくれたってこと?
……いやいやいや。
拓磨くんが私のこと好きなワケじゃないんだし、ありえないでしょ?
「ただ、目立つのがめんどくさくなっただけ」
「…………」
そうだよね、私のためなんて気のせいだよね。
「さ、帰ろ」
「う、うん!」
私は少し動揺しながらも拓磨くんの隣を歩く。
……あの、周りの視線がすごいんですが。
「ねぇ、あの人誰!?あんなカッコいい人うちの高校にいたっけ?」
「あれってもしかして、矢野拓磨じゃ……」
「ウソ!?変わりすぎじゃない!?」
そんな声がたくさん聞こえてくる。


