【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






そして、ついに放課後がやってきた。



「美憂ちゃん、拓磨が昇降口で待ってるって」



多田くんが帰る準備をしている私に言った。



「あ、そうなんだ!ありがとう!」



「じゃ、また明日ね」



「うん、ばいばい」



多田くんは私に手を振ると、教室を出ていく葵ちゃんを追いかけていった。



さてと、私もはやく拓磨くんのところに行かないと。



……拓磨くん、どうなったんだろう。
私のために変わろうとしてるって……。



色々考えながら靴を履き替えて外に出る。



拓磨くん、どこにいるんだろう?



キョロキョロしてみても、拓磨くんはいない。



もしかして、もう校門まで行っちゃったのかな?
とりあえず校門に行ってみよう。



そして、校門に向かおうと歩き出したときだった。



「ひゃっ」



いきなり誰かに腕を引かれた。