「俺も、この曲好きだな。」





ピクッとして、ピアノを弾くのをやめる。




振り返ると、星野先生だった。



星野先生は、“辞めないでいいんだけどな……”と私を見てニコっと笑う。




私がまた鍵盤を弾きメロディーを奏でてゆく。




星野先生は、私の弾いている曲に合わせて歌い出した。




曲は、ポップスの曲で、青春の1ページみたいな、曲。




切ない曲。






「あはは、上手いですね~、星野先生!!」




「花菜先生も、かわいい歌声だった〜!!」




途中から私も加わり、曲が終わったと同時に愉しさが溢れてきた。



歌は、やっぱり素敵だ。




お互いにケラケラと笑ってしまった星野先生と私。



なんで悲しい思いをしていたんだっけと、考えてしまうほど、星野先生と笑ってしまった。