ドラマチック・ロマンス

同じ人なんて、いるはずない。




みんな違うし、みんなが様々な意見を持っているはず。








「花菜先生！」


ホームルームが終わり、廊下で一人の女子生徒が話しかけてくれた。





「鈴？」



小松鈴(こまつすず)さんだ。





彼女は吹奏楽部の一員で、トランペットパートをやっている。


お姉さんは同じく三年生の部員の、灯(あかり)だ。



姉妹で、同じ部活に入っている。







「私、花音とは小学校から一緒だったんです。私・・・花音がいないとすごく寂しい。
先生・・・私も早く花音と一緒に笑って過ごしたいんです！」




私が彼女の顔を見る前から、彼女は必死で伝えてくれている。



「うん。先生も早くそうなってほしいと思ってるよ。

けど、焦らず行こう。焦っても良い事ないからさ！」




声をかけてくれた、小松さんは泣くのを堪えてるような、そんな顔をしていた。




そして笑っていた。